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【津田歯科・矯正歯科】急性壊死性潰瘍性歯肉炎(ANUG)とは?症状・原因・治療法を徹底解説

急性壊死性潰瘍性歯肉炎(ANUG)は、歯肉の急性炎症性疾患で、特に歯間乳頭部に潰瘍ができるのが特徴です。別名「Vincent性歯肉炎」や「塹壕口内炎」とも呼ばれ、歯ぎしりや不規則な生活習慣、栄養不足などが関係しています。今回は、津田歯科・矯正歯科がANUGの症状・原因・治療法・予防方法を詳しく解説します。


ANUGの主な症状

  • 歯肉の痛み(食事や会話時に増強)

  • 歯肉からの出血

  • 灰白色の偽膜の形成

  • 口臭の発生

  • 発熱や倦怠感

  • 頸部リンパ節の腫れ

症状が進行すると、日常生活に支障をきたすこともあります。早期の診断と治療が重要です。


原因とリスク因子

ANUGの主な原因は、口腔内の常在菌(スピロヘータや紡錘菌)の異常増殖です。次の要素が重なると発症リスクが高まります。

  • 不十分な口腔衛生(歯垢・歯石の蓄積)

  • 喫煙

  • 栄養不良(ビタミンB群・C不足)

  • 免疫抑制状態(HIV/AIDS、免疫抑制薬)

  • ストレスや睡眠不足


診断と鑑別

ANUGは臨床所見に基づき診断されます。特徴的な症状として、歯間乳頭部の灰白色偽膜や出血が見られます。鑑別診断には以下の疾患が考慮されます。

  • 急性壊死性潰瘍性歯周炎(ANUP)

  • 急性歯肉炎

  • 歯周膿瘍

  • 口腔カンジダ症


治療法

1. デブリドマン

手用スケーラーや超音波スケーラーで炎症部位を清掃。必要に応じて局所麻酔を使用します。

2. 口腔衛生の改善

軟らかい歯ブラシで優しく歯磨きし、抗菌性うがい薬(クロルヘキシジン等)で口腔内を清潔に保ちます。

3. 栄養と休養

ビタミンB群やビタミンCの摂取、十分な睡眠と休養が免疫力維持に重要です。

4. 抗菌薬

必要に応じてアモキシシリンやテトラサイクリンを使用します。

5. 継続的なフォローアップ

症状改善後も、定期的な歯科検診と口腔衛生指導が再発防止に欠かせません。


予防のポイント

  • 禁煙

  • バランスの取れた食事(ビタミンB群・Cを含む)

  • 十分な睡眠と休養

  • 定期的な歯科検診と口腔衛生管理

生活習慣の改善と口腔衛生の維持が、ANUGの予防に大きく役立ちます。


ANUG(急性壊死性潰瘍性歯肉炎)の詳細と注意点

症状の進行と重症化のリスク

ANUGは、初期段階では軽い歯肉の腫れや出血程度で気づかれないことがあります。しかし、症状を放置すると以下のように進行する可能性があります。

  1. 潰瘍の拡大:歯間乳頭だけでなく、辺縁歯肉全体に広がることがあります。

  2. 強い口臭の持続:細菌の増殖により、口腔内の悪臭が日常生活にも影響します。

  3. 全身症状の出現:発熱や倦怠感が出現し、場合によってはリンパ節腫脹を伴います。

  4. 歯周組織への影響:炎症が歯周組織に波及すると、歯の動揺や歯周炎の悪化を招くことがあります。

特に免疫力が低下している方や慢性疾患を持つ方は重症化しやすく、早期に歯科受診することが重要です。


原因菌と口腔環境の関係

ANUGの原因菌として有名なのは、**スピロヘータ(Treponema属)紡錘菌(Fusobacterium属)**です。これらの細菌は通常、口腔内でバランスを保ちながら存在していますが、以下の条件で異常増殖します。

  • 歯垢や歯石が蓄積している

  • 唾液の分泌量が低下している

  • 喫煙やアルコール摂取により口腔内環境が悪化している

  • 栄養不足や睡眠不足で免疫機能が低下している

つまり、ANUGは口腔衛生の乱れと生活習慣の不調が複合的に作用して発症する疾患とも言えます。


日常生活での注意点

ANUG治療中や再発予防のために、患者さまが注意すべきポイントを整理します。

  1. 歯磨きの工夫

    • 軟らかい歯ブラシを使用し、歯肉を傷つけないように優しく磨く

    • デンタルフロスや歯間ブラシで歯間部の清掃を補助する

  2. うがいの活用

    • クロルヘキシジン液など抗菌性うがい薬の使用

    • 食後のうがいで細菌の増殖を抑える

  3. 食生活の改善

    • ビタミンB群やビタミンCを多く含む食品(野菜・果物・穀類)を意識して摂取

    • 高糖分・高脂肪の食品は控え、口腔内細菌の増殖を抑える

  4. 生活習慣の見直し

    • 十分な睡眠と休養を確保

    • ストレス管理(軽い運動やリラックス法を活用)

    • 禁煙・節酒の徹底


治療の流れをさらに詳しく解説

津田歯科・矯正歯科でのANUG治療は、単なる痛みの軽減ではなく、口腔環境の根本改善を目指しています。

  1. 初診・カウンセリング

    • 歯肉の腫れや潰瘍の程度を確認

    • 歯磨き習慣・食生活・生活リズムを詳しくヒアリング

  2. 口腔内クリーニング

    • 手用スケーラーや超音波スケーラーで汚れを除去

    • 偽膜や壊死組織を丁寧に除去し、炎症部位を清潔にする

  3. 抗菌療法(必要に応じて)

    • 重症例や全身症状がある場合、抗菌薬の内服を併用

    • 細菌の異常増殖を抑え、症状の早期改善を図る

  4. 再評価・指導

    • 数日後に再度口腔内をチェック

    • 正しいブラッシング方法や生活習慣改善の指導を行う

  5. 長期管理

    • 再発防止のため、数週間~数か月に一度の経過観察

    • 歯周組織の健康維持と口腔環境の安定化をサポート

治療後の注意点とセルフケア

ANUGは治療後も口腔内の状態に注意しなければ、再発することがあります。特に以下のポイントに気をつけることが重要です。

  1. ブラッシングの継続

    治療後は痛みが落ち着いても、毎日の丁寧な歯磨きが再発防止に直結します。軟らかい歯ブラシで歯肉を傷つけないように磨き、歯間部はフロスや歯間ブラシで補助しましょう。

  2. 抗菌うがいの活用

    クロルヘキシジンなどの抗菌性うがい薬は、治療後1~2週間程度継続すると細菌の再増殖を防げます。ただし長期使用は着色などの副作用が出ることがあるため、歯科医師の指示に従いましょう。

  3. 生活習慣の維持

    十分な睡眠、ストレス管理、栄養バランスの良い食事は免疫力を保ち、再発リスクを減らします。特にビタミンCやビタミンB群を含む食品を意識して摂取すると口腔粘膜の修復に役立ちます。


よくあるご質問(Q&A)

Q1. ANUGは感染しますか?

ANUGは主に口腔内常在菌の異常増殖によって発症するため、他人にうつることはほとんどありません。ただし、免疫力が低下している人では症状が出やすいため、口腔内の清潔を保つことが重要です。

Q2. 治療後、食事で気をつけることはありますか?

硬い食品や刺激の強い食品(辛いもの・酸味の強いもの)は、治療直後の歯肉を傷つける可能性があります。柔らかい食事を心がけ、口腔内を清潔に保ちましょう。

Q3. 再発を防ぐにはどうすればよいですか?

定期的な歯科検診とクリーニング、正しい歯磨き習慣、生活習慣の改善が再発防止の鍵です。特にストレスや睡眠不足は免疫力低下の原因になるため注意してください。

Q4. 治療後に痛みが残ることはありますか?

個人差はありますが、治療後1〜2日程度は歯肉に軽い違和感や痛みが残ることがあります。痛みが強い場合は鎮痛薬の使用や、早めの再診をおすすめします。

津田歯科・矯正歯科からのメッセージ

ANUGは適切な治療と生活習慣改善で、予後良好な疾患です。当院では、患者さま一人ひとりの症状や生活習慣に合わせた診療を行い、再発防止のサポートも徹底しています。口腔内の異常を感じたら、早めにご相談ください。


医院情報

津田歯科・矯正歯科

住所:大阪府大阪市都島区善源寺町1-5-37 美代志ビル1階

アクセス:大阪メトロ谷町線「都島駅」より徒歩3分

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土曜 9:30~13:00 / 14:00~17:00

休診日:木曜・日曜・祝日(GW・お盆・年末年始あり)

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