スタッフブログ
歯を守るためのナイトガード|型取りしてそのまま受け取っていませんか?
はじめに
こんにちは。大阪市都島区の津田歯科・矯正歯科です。
「歯ぎしりが強いのでナイトガードを作りましょう」
「マウスピースを夜だけつけてください」
歯科医院でこのように説明を受け、型取りをして数日後にナイトガードを受け取った経験のある方は多いのではないでしょうか?
しかし実際には、ナイトガードは“ただ作って渡す”だけでは十分に機能しないことがあります。歯や顎を本当に守るためには、適切な診断・調整・アフターフォローが欠かせません。
今回は、ナイトガードの役割や正しい使用法、そして当院が大切にしている「歯や顎を守るためのナイトガードの在り方」について詳しくご紹介します。
ナイトガードとは?
ナイトガードとは、睡眠中に装着するマウスピースの一種で、主に歯ぎしりや食いしばりから歯や顎を守るために使用されます。
役割
歯の摩耗・破折を防ぐ
歯周組織(歯ぐきや骨)への負担を軽減する
顎関節や咀嚼筋を保護する
被せ物やインプラントの破損予防
知覚過敏や顎関節症の予防
つまりナイトガードは、天然歯だけでなく、治療後の補綴物やインプラントを守る大切な役割を担っています。
型取りしてそのまま渡されるナイトガードの問題点
保険診療で作製されるナイトガードは、型取りをして技工所に依頼し、数日後に完成したものを患者さまに渡すのが一般的です。
しかし、そこで調整をほとんどせずにそのまま渡されるケースも少なくありません。実はこれが大きな問題なのです。
問題①:噛み合わせが合っていない
人それぞれ噛み合わせの高さや顎の位置は異なります。調整をしないナイトガードは、逆に顎や筋肉に負担をかけ、顎関節症を悪化させることもあります。
問題②:装着感が悪く続けられない
「きつすぎて痛い」「ゆるくて外れる」といったトラブルが起きやすく、そのまま使わなくなってしまう方も多いです。
問題③:歯を本当に守れない
歯ぎしりの力は想像以上に強く、時には自分の体重に匹敵するほど。調整されていないナイトガードでは、力が一部の歯に集中してしまい、むしろ歯を痛める原因になってしまいます。
本当の意味で歯や顎を守るナイトガードとは
では、歯や顎をしっかり守るためには、どのようなナイトガードが必要なのでしょうか?
1. 適切な診断に基づいた作製
まずは「なぜナイトガードが必要なのか」をしっかり診断することが大切です。
強い歯ぎしり(ブラキシズム)があるのか
食いしばりによる筋肉の緊張なのか
顎関節症の症状があるのか
インプラントや被せ物を守るために必要なのか
原因や目的によって、ナイトガードの形や厚み、硬さが変わります。当院ではその点を丁寧に見極めて作製します。
2. 噛み合わせの精密調整
ナイトガードは、装着後に噛み合わせの高さや歯の接触点を調整することが必須です。これを行わないと、顎関節や筋肉に余計な負担がかかります。
当院では専用の咬合紙や計測器を用いて、均等に力が分散するように微調整を行っています。
3. 継続使用を可能にする快適性
長く使っていただくためには、装着感の良さも重要です。違和感が少なく、会話や呼吸に支障がない形に仕上げることを心がけています。
4. 定期的なチェックとメンテナンス
ナイトガードは使い続けるうちにすり減ったり、変形したりします。歯の動きや噛み合わせの変化に応じて、定期的に調整が必要です。
当院では定期検診ごとにナイトガードの状態を確認し、必要に応じて修正や作り替えをご提案しています。
ナイトガードを使わないとどうなる?
「歯ぎしりくらい放っておいても大丈夫では?」と思う方もいるかもしれません。
しかし実際には、歯ぎしりや食いしばりを放置すると以下のようなリスクがあります。
歯がすり減って短くなる(摩耗)
被せ物やインプラントが割れる
歯の根が割れて抜歯になることもある
顎関節症が悪化し、口が開けにくくなる
肩こりや頭痛の原因になる
特に、インプラント治療やセラミック治療を受けた方は要注意。治療した部分を守るためにも、ナイトガードは欠かせない存在です。
当院でのナイトガード治療の流れ
初診・カウンセリング
歯ぎしりや顎の症状について詳しく伺い、必要性を診断します。型取り・デジタルスキャン
精密な型取り、もしくは口腔内スキャナーで歯列をデータ化します。ナイトガード作製
目的に応じた素材・厚み・形態を技工士と相談して作製します。装着・調整
完成品を装着し、噛み合わせを細かくチェックして調整します。定期チェック
3〜6か月ごとに状態を確認し、必要に応じて再調整や再作製を行います。
当院では、患者さま一人ひとりに合わせたオーダーメイドのナイトガードを作製します。まずは丁寧にカウンセリングを行い、食いしばりや歯ぎしりの程度を確認。必要に応じて、顎関節や咬合の診査も行います。そのうえで最適な素材・形態を選択し、歯科技工士と連携して違和感の少ない装置を製作します。
完成後は、実際に装着した際の噛み合わせを細かく確認し、必要があればその場で調整。お渡ししてからも、数週間〜数か月の使用後に再度チェックを行い、長期的に安心して使えるようサポートしています。
よくあるご質問
Q1. ナイトガードは保険で作れますか?
はい、保険診療で作製可能です。ただし使用できる素材や形態には制限があります。審美性や耐久性を重視する場合は、自費診療のナイトガードをおすすめすることもあります。
Q2. どのくらいの期間使えますか?
使用状況にもよりますが、平均で2〜3年程度です。歯ぎしりが強い方は摩耗が早く、1年で作り直すこともあります。
Q3. 装着すると眠りにくくなりませんか?
初めは違和感を覚える方もいますが、適切に調整されたナイトガードであれば数日〜数週間で慣れることがほとんどです。
ナイトガードを正しく使うために知っておきたいこと
ナイトガードは「作って終わり」の装置ではありません。実際には、使い方やケア方法を誤ると逆効果になることもあります。たとえば、汚れたまま長期間使用していると、装置自体に細菌が繁殖し、口腔内環境を悪化させるリスクがあります。また、合わないナイトガードを無理に使い続けると、顎関節に負担をかけたり、逆に歯の位置がわずかに動いて噛み合わせに不調和が生じることもあるのです。
そのため、ナイトガードを受け取ったら「どのように清掃するのか」「保管方法はどうするのか」「調整のためにいつ来院すべきか」を必ず確認し、定期的にチェックを受けることが大切です。当院では、初めての方でも安心して使用できるよう、具体的な清掃方法(専用ブラシや中性洗剤を使った洗浄、定期的な入れ歯洗浄剤の活用など)をご案内しています。
ナイトガードで予防できる未来のトラブル
正しく調整されたナイトガードを使用することで、防げるトラブルは数多くあります。代表的なものは以下の通りです。
歯の破折や摩耗の予防:食いしばりによる過度な力から歯を守り、削られたり欠けたりするリスクを軽減します。
歯周病の悪化防止:強い力が歯周組織に加わることで歯の揺れが進むのを防ぎます。
顎関節症の緩和:関節や筋肉にかかる過負担を減らし、痛みや違和感を和らげます。
補綴物やインプラントの保護:セラミックや被せ物、インプラント治療を長持ちさせる役割を果たします。
つまり、ナイトガードは「今ある歯を守る」だけでなく、「将来の治療を減らす」ための大切な予防ツールといえるのです。
まとめ
ナイトガードは、歯ぎしりや食いしばりから歯・顎・補綴物を守る大切な装置です。
しかし、ただ「型取りをして渡すだけ」のナイトガードでは十分にその効果を発揮できません。
適切な診断に基づいて作製すること
噛み合わせをしっかり調整すること
定期的なチェックとメンテナンスを行うこと
これらを大切にすることで、はじめて「本当の意味で歯や顎を守るナイトガード」となります。
ナイトガードは「ただのマウスピース」ではなく、正しく作製し、適切に調整・管理することで初めて歯や顎を守る力を発揮します。もし「ナイトガードを作ったけど、あまり使っていない」「合っているかどうかわからない」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。津田歯科・矯正歯科では、患者さまの将来の歯の健康を守るため、最適なナイトガードのご提案と継続的なサポートを行っています。
大阪市都島区でナイトガードの作製をお考えの方は、ぜひ津田歯科・矯正歯科へご相談ください。
あなたの大切な歯を、私たちがしっかりとサポートいたします。
医院情報
津田歯科・矯正歯科
住所:大阪府大阪市都島区善源寺町1-5-37 美代志ビル1階
アクセス:大阪メトロ谷町線「都島駅」より徒歩3分
電話:06-6922-6480
Web予約:https://tsuda-dc.jp/
診療時間:平日 9:30~13:00 / 14:00~18:00
土曜 9:30~13:00 / 14:00~17:00
休診日:木曜・日曜・祝日(GW・お盆・年末年始あり)
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