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【歯科医師が警鐘】「歯を抜きたくない」という強い希望が招く矯正失敗のリスク:抜歯矯正の必要性と無理な非抜歯矯正の危険性を徹底解説

おはようございます、大阪市都島区、地下鉄「都島駅」から徒歩3分の「津田歯科・矯正歯科」です。
 
歯列矯正をご検討されている患者様から、「歯を抜かずに矯正したい」というご希望をよく伺います。
健康な歯はなるべく残したい、抜歯は怖い、というお気持ちは痛いほど分かります。
当院も可能な限り非抜歯での治療を検討します。
しかし、精密検査の結果、歯科医師が**「抜歯が必要」**と判断した場合、その判断には明確な理由があります。
それを無視して、「非抜歯専門」を謳うクリニックの言葉やご自身の希望を優先し、無理やり非抜歯矯正を選んだ結果、矯正治療が失敗に終わってしまうケースが後を絶ちません。
今回は、なぜ抜歯が必要な症例があるのか、そして、抜歯が必要なのに無理に非抜歯矯正を選んだ場合にどのようなリスクや失敗が起こりうるのかについて、歯科医師の立場から本音で解説します。矯正治療で後悔しないために、ぜひ知っておいていただきたい内容です。
 

 
1. なぜ抜歯が必要なの? 歯科医師が抜歯を勧める科学的根拠
歯科医師が抜歯を勧める主な理由は、歯をきれいに並べるためのスペースが圧倒的に不足しているからです。
多くの歯並びの不正は、歯の大きさに対して顎の骨のスペースが足りないことによって起こります。具体的には以下のような状態です。
  • 重度の叢生(そうせい・ガタガタの歯並び):歯が重なり合って生えている状態。
  • 重度の出っ歯(上顎前突):前歯が前に出すぎて口元が突出している状態。
  • 口元の突出感:歯だけでなく、唇全体が前に突き出ている状態(いわゆる「口ゴボ」)。
このようなケースで、抜歯せずに歯をきれいに並べようとすると、歯列全体を外側に拡大したり、歯を前方に傾けたりするしかスペースを作る方法がなくなります。
抜歯矯正では、噛み合わせへの影響がほとんどない前から4番目(または5番目)の歯を抜くことが一般的です。これは、健康被害を最小限に抑えつつ、最大限のスペースを確保するための、確立された治療計画なのです。
 

 
2. 無理な非抜歯矯正が招く深刻な失敗とリスク
「歯を抜きたくない」という思いを優先し、抜歯が必要な症例で無理に非抜歯矯正を行った場合、以下のような深刻な失敗やリスクに直面する可能性があります。
 
失敗例1:口元が出っ張る(出っ歯が悪化する、ゴリラ顔になる)
最も多く、審美的な満足度を大きく損なう失敗例の一つです。スペースがない状態で無理に歯を並べようとすると、歯列全体が前方に押し出されます。これにより、治療前よりも上唇や下唇の突出感が強調され、いわゆる「出っ歯」や「ゴリラ顔」になってしまうことがあります。横顔のバランス(Eライン)が崩れ、かえってコンプレックスが増してしまう原因となります。
 
失敗例2:歯がきれいに並びきらない・後戻りしやすい
確保できたスペースが不十分だと、結局歯が完全にきれいに並びきらず、わずかなガタガタ(叢生)が残ってしまいます。また、無理な位置に歯を動かしているため、歯が本来あるべき骨の中から外れようとする力が働き、治療後の後戻りが非常に起こりやすくなります。矯正治療は時間と費用がかかるもの。やり直しや長期にわたる保定期間が必要になるのは避けたいですよね。
 
失敗例3:噛み合わせが悪くなる(不正咬合の悪化)
歯並びの見た目だけを重視して無理に並べると、上下の歯の噛み合わせが適切に合わなくなることがあります。これにより、食べ物がうまく噛めない(咀嚼機能の低下)、顎関節症を引き起こす、特定の歯に過度な負担がかかるといった機能的な問題が発生するリスクが高まります。正しい噛み合わせは、歯の寿命を延ばすために非常に重要です。
 
リスク4:歯の根や歯ぐきへの深刻なダメージ
無理な前方拡大や歯列拡大を行うと、歯の根が顎の骨の薄い部分からはみ出てしまう可能性があります。これにより、以下のような深刻なダメージを引き起こすことがあります。
  • 歯肉退縮(しにくたいしゅく):歯ぐきが下がって、歯の根元が露出してしまう状態。知覚過敏の原因にもなります。
  • 歯根吸収(しこんきゅうしゅう):歯の根が短くなってしまう状態。歯を支える力が弱まり、将来的に歯が抜けやすくなる原因となります。
これらのダメージは一度発生すると元に戻すのが難しく、将来的に歯の寿命を縮める原因となります。
 

 
3. 「非抜歯専門」クリニックとの向き合い方
最近は「非抜歯専門」を謳う歯科医院も増えてきました。もちろん、非抜歯で治療できる症例は多く存在します。歯を抜かないことは、患者さんのメリットにもなります。
しかし、どんな症例でも非抜歯でできるわけではありません。重要なのは、その医院が「なぜ非抜歯で治療できるのか」という根拠を明確に示せるかどうかです。
  • 精密検査に基づいているか:顎の大きさ、歯の大きさ、骨格のバランスなどを正確に測定・分析した上で、非抜歯が可能だと判断されているかが重要です。
  • 代わりの手段が適切か:非抜歯でスペースを作る方法として、歯の側面を少し削るIPR(歯間空隙形成)や、奥歯を後方に移動させる方法などがありますが、これらがその症例に適切かどうかが重要です。
  • リスクを説明しているか:無理な非抜歯矯正を行った際のリスク(出っ歯になる可能性など)について、事前に十分に説明されているかが重要です。
「抜かないこと」だけをメリットとして強調し、リスクや科学的根拠に基づいた説明が不足している場合は、注意が必要です。
 

 
4. 後悔しないために:歯科医院選びとコミュニケーションの重要性
このような失敗を防ぐためには、以下の点が非常に重要です。
  
  •  精密な検査と診断を重視する:抜歯か非抜歯かは、経験と科学的根拠に基づいた精密な検査(レントゲン、セファロ分析、CTなど)によって判断されます。
  • 複数の選択肢とリスクの説明を受ける:一つの診断に固執せず、複数の治療計画(抜歯・非抜歯それぞれのメリット・デメリット、費用、期間)を提示してくれる歯科医院を選びましょう。
  • コミュニケーションを大切にする:ご自身の希望を伝えることも大切ですが、歯科医師がなぜ抜歯を勧めるのか、その理由や将来的なリスクについて納得がいくまで話し合いましょう。
  • セカンドオピニオンも検討する:もし今の診断に納得がいかない場合や不安が残る場合は、別の専門医の意見(セカンドオピニオン)を聞くことも有効です。患者さんの正当な権利ですので、遠慮はいりません。
 

 
5. まとめ:都島区の津田歯科・矯正歯科へご相談ください
「歯を抜きたくない」というお気持ちは十分に理解できますし、当院も可能な限り歯を残す努力をします。しかし、長期的なお口の健康と美しい仕上がりを最優先に考えるからこそ、抜歯が必要な症例では適切に抜歯を提案します。
大阪市都島区の「津田歯科・矯正歯科」では、精密な検査と十分なカウンセリングを通じて、患者様一人ひとりに最適な治療計画をご提案しています。無理な非抜歯矯正による失敗のリスクを避け、安心・安全な矯正治療を提供いたします。
矯正治療で抜歯するかどうか悩んでいる方、他院で抜歯を勧められて納得がいっていない方、まずはお気軽に当院までご相談ください。当院は都島駅徒歩3分、土曜診療も行っております。皆様のお口の健康を第一に考え、丁寧に対応いたします。
 
医院外観

津田歯科・矯正歯科の医院情報

津田歯科・矯正歯科

住所:大阪府大阪市都島区善源寺町1-5-37 美代志ビル1階

アクセス:大阪メトロ谷町線「都島駅」より徒歩3分

電話:06-6922-6480

Web予約:https://tsuda-dc.jp/当院のInstagramはこちら:https://www.instagram.com/tsudadentalclinic5824/

診療時間:平日 9:30~13:00 / 14:00~18:00

土曜 9:30~13:00 / 14:00~17:00

休診日:木曜・日曜・祝日(GW・お盆・年末年始あり)

津田歯科・矯正歯科

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