スタッフブログ

包括治療とは?長期的にお口を守るための総合治療|津田歯科・矯正歯科【大阪市都島区】

歯科治療は、単に「悪い歯を1本ずつ治す」だけでは、長期的な健康を維持することが難しい場合があります。例えば、虫歯や歯周病を部分的に治療しても、根本的な原因が改善されていなければ、再発や別の歯への悪影響が生じることがあります。

そこで重要になるのが、**「包括治療(包括歯科治療)」**です。包括治療とは、お口全体を一つのシステムとして捉え、総合的に治療を進める考え方です。単なる「治療」ではなく、長期的に快適で機能的な口腔環境を作るためのアプローチです。


1. 包括治療とは

包括治療では、単に虫歯や歯周病の部分的な治療に留まらず、お口全体の機能と美しさを総合的に評価します。歯だけでなく、歯ぐき、顎関節、咬み合わせ、歯列のバランスまで確認することで、総合的な治療計画を立てます。

例えるなら、車の修理で「壊れた部品だけを交換する」のではなく、「エンジン全体や足回り、燃費、長期的な安全性」まで含めて整備するイメージです。お口も同じように、部分治療だけでは見えない問題を早期に発見し、全体の調和を整えることが重要です。


2. なぜ包括治療が必要なのか

人間の歯や口腔環境は、時間とともに変化します。部分的な治療を繰り返しているだけでは、以下のような問題が起こることがあります。

  1. 治療の連鎖

    部分的な治療を繰り返すことで、別の歯や咬み合わせに負担がかかり、新たなトラブルが生じることがあります。

  2. 原因が残ったまま

    歯ぎしりや咬み合わせのズレ、歯周病などの根本原因を改善しないままだと、同じ問題が再発します。

  3. 全体のバランスが崩れる

    歯並びや咬み合わせが不安定になると、顎関節や筋肉に負担がかかり、肩こりや頭痛、顎関節症など全身への影響も出ることがあります。

包括治療では、こうした悪循環を断ち切り、原因から改善する治療を行います。


3. 包括治療の流れ

包括治療は、急いで詰め物や被せ物をするのではなく、まず現状をしっかり把握することから始まります。

① 初診・カウンセリング

患者さんの主訴(痛み、見た目、入れ歯希望など)を詳しく伺います。患者さんの希望をしっかり把握することが、治療計画の基礎になります。

② 精密検査

包括治療では、以下の検査を行い、口腔全体の状態を把握します。

  • 口腔内写真

  • レントゲン撮影(必要に応じてCT)

  • 歯周病検査

  • 咬み合わせの記録

  • 顎の動きや筋肉の動作チェック

これにより、お口全体の現状をデータとして記録し、最適な治療計画を立てることができます。津田歯科・矯正歯科では、精密検査費用は40,000円(税抜)で受けていただけます。

③ 診断と治療計画の立案

検査結果をもとに、現在のお口の状態、問題点、原因を分析します。患者さんに複数の治療選択肢を提示し、メリット・デメリット、期間、費用を説明した上で、納得していただいたうえで治療を開始します。

④ 初期治療

虫歯や歯周病の進行を止め、口腔環境を整えます。

具体的には、歯石除去、ブラッシング指導、応急処置、仮歯の装着などです。また、現状の歯がどのくらい持つかを見極めるために、必要に応じて被せ物を外すこともあります。

⑤ 機能回復治療

咬み合わせの改善や被せ物、ブリッジ、インプラント、入れ歯、矯正治療などを行います。見た目(審美性)と機能性の両方を考慮し、長期的に安定した咬合を構築します。

海外では、矯正・歯周・インプラント・補綴の各専門医が連携して治療する「インターディシプリナリーアプローチ」が一般的ですが、日本では院長がすべての専門分野を統括して治療することで、患者さんの通院負担を最小限に抑えています。

⑥ メンテナンス・定期検診

治療後も口腔状態を維持するために、3~6か月ごとの定期検診とクリーニングを行います。これにより、再発リスクを最小限に抑え、治療の効果を長期間維持できます。


4. 包括治療のメリット

  1. 再発しにくい

    原因から改善するため、虫歯や歯周病の再発リスクを大幅に減らせます。

  2. 長期的に歯を守れる

    無駄に削ったり抜いたりせず、可能な限り自分の歯を残すことができます。

  3. 咬み合わせや見た目も改善できる

    機能性と審美性を両立させることが可能です。

  4. 全身の健康にも良い影響

    噛む力のバランス改善によって、顎や肩、消化機能にも良い効果が期待できます。


5. デメリットや注意点

  • 時間がかかる

    お口全体を治療するため、数か月~1年以上かかることもあります。

  • 費用が高くなる場合がある

    自費治療を組み合わせる場合、費用は高くなる可能性があります。

  • 患者さんの協力が必要

    日々の歯磨きや定期検診の協力が不可欠です。


6. 治療後のメンテナンスの重要性

包括治療は「治して終わり」ではありません。口腔内は常に変化しており、加齢や生活習慣によっても状態が変わります。

定期メンテナンスでは以下を行います:

  • プラーク・歯石の除去

  • 咬み合わせのチェック

  • 早期虫歯・歯周病の発見

  • ホームケアの見直し

これにより、治療の効果を長持ちさせ、再治療の回数を減らすことが可能です。

包括治療で重視する「生活習慣とお口の健康」

包括治療では、単に歯や咬み合わせだけを見るのではなく、患者さんの日常生活や生活習慣も考慮します。たとえば、食生活、ブラッシング習慣、歯ぎしりや食いしばりの癖、睡眠の質などは歯の健康や咬み合わせに大きく影響します。

例えば、夜間に強く歯ぎしりをする患者さんの場合、被せ物や入れ歯の耐久性が低下しやすく、歯周組織への負担も増えます。包括治療では、こうした習慣に応じたマウスピースの作製や生活指導を行い、治療の成功率を高めます。


歯科医師と歯科技工士の密な連携

包括治療の結果を左右する大きな要素の一つが、歯科技工士との連携です。最終的に装着する被せ物やブリッジの精度、咬合のバランス、審美性は、歯科技工士の技術に大きく依存します。

津田歯科・矯正歯科では、審美性と咬合の両立が可能な熟練したセラミストと密に連携し、患者さん一人ひとりに最適な歯を作り上げます。これにより、治療後の快適さや咬む力のバランスが長期間維持できます。


加齢に伴う口腔内変化への対応

加齢により、歯や歯ぐき、顎の骨は少しずつ変化します。歯周病による歯槽骨の吸収、歯の摩耗や変色、歯ぎしりによる咬合の変化などは、部分治療だけでは十分に対応できません。

包括治療では、加齢による変化も見据えた長期的な治療計画を立てます。たとえば、噛み合わせが崩れた場合には、矯正治療や咬合調整を組み合わせることで、将来的なトラブル予防を行います。


メンテナンスの重要性を患者さんと共有

包括治療の成功には、治療後のメンテナンスが不可欠です。定期検診での口腔チェックに加え、ホームケアの質も重要です。ブラッシングの方法、フロスや歯間ブラシの使用、食生活の改善など、日常的なケアの積み重ねが、治療の長期的な安定に直結します。

また、歯ぎしりや食いしばりなど無意識の癖がある場合には、マウスピースの定期調整や生活習慣改善指導も行います。これにより、せっかく行った包括治療の効果を最大限に引き出すことができます。


精密検査による安全性の確保

包括治療では、精密な検査に基づく安全性の確保が欠かせません。レントゲンやCTで顎の骨の状態を確認し、歯周組織の健康を評価することで、将来的な歯の喪失や咬合の崩れを防ぐ治療計画を立てることができます。

さらに、治療中も定期的に経過をモニタリングし、問題があればすぐに対応する体制を整えています。これにより、治療中のトラブルを最小限に抑え、安全かつ確実な治療が可能になります。


まとめ

包括治療は、単なる虫歯や歯周病の治療ではなく、**「お口全体の健康を守るための総合治療」**です。

  • 根本原因を分析して改善

  • お口全体のバランスを整える

  • 長期的に健康な口を維持する

時間や費用はかかる場合がありますが、長期的には歯を守り、再治療を減らし、生活の質を向上させるための重要な投資です。

津田歯科・矯正歯科では、患者さんと一緒に、お口の健康を長く守っていくパートナーとして、包括治療を提供しています。


医院情報

津田歯科・矯正歯科

住所:大阪府大阪市都島区善源寺町1-5-37 美代志ビル1階

アクセス:大阪メトロ谷町線「都島駅」より徒歩3分

電話:06-6922-6480

Web予約:https://tsuda-dc.jp/

診療時間:平日 9:30~13:00 / 14:00~18:00

土曜 9:30~13:00 / 14:00~17:00

休診日:木曜・日曜・祝日(GW・お盆・年末年始あり)

津田歯科・矯正歯科

TAGタグ